言葉辞典出張版版

ネットに散らばっている言葉を集めている。それだけだ。

太陽はおそろしく美しかった。
正確な幾何学的な影。
深い空を背に、風が大きな赤い塔の多彩な旗をひらめかせた。
なごやかな赤だ。
塔の上では小粒のような黒色が動いた。
彼らは正午の祝砲のために待機している砲手たちだった。
ついに十二時になった。厳粛。憂愁。
太陽が天の弧の中心に達したとき、新しい時計が町の鉄道駅に献呈された。
みんなが泣いた。
汽車が激しく汽笛を鳴らして通った。
祝砲が轟いた。
ああ、それはみごとに美しかった