言葉辞典出張版版

ネットに散らばっている言葉を集めている。それだけだ。

人が死んだ後でいちばん不思議な気分になるのは、わたしが思うにその人の靴を見るときだ。その時に最も悲しい思いをする。あたかも死んだ人の人格が、生前履いていた靴の中に残っているかのようだ。着ていた服ではだめだ。靴の中に宿っているのだ。あるいは帽子。それとも一組の手袋。死んだばかりの人がいたとする。その人の帽子や、手袋や靴をベッドの上に並べ、それをみつめていると気が変になってしまうだろう。そんなことをしてはいけない。とにもかくにも、死んだ人たちは生きている人が知らない何かを今や知っているというわけだ。たぶん