2011-01-30 ■ 太陽が町の後ろに、引きずりこまれていく。 空気が枯れ草のように黄ばみはじめた。 七本の煙突は、ごく薄い最後の息を吐くと、錆釘色になって凍りついた。 干潟に分散していた人影が、獲物を抱えて立ち去っていくと、 見張っていた鳥たちが戻ってきた。 河口で餌を漁った鳥たちは、休息のほかには欲していないに見えた。 ウミネコが灰色の船団のように水面に漂っている。 彼らが陸に上がったら店仕舞いをしよう。